収穫
秋也

夕闇差し迫る瓜畑
果実は実り
豊かな土で収穫を待つ
後は口に運ぶだけ
一輪の花を摘み取るかのように
育てた瓜を優しくもぎ取る
甘く甘く赤く熟れていた
しわしわの年老いた手に水気と満足を残し
月と星を歓迎する
赤い雲と伸びすぎた影
瓜も私も畑もやがて朽ち
何も残らず
何も残さず
それでも耕し育てた誇りは変わらない

「あなたの子供の頃、そっと見ていたかったな」
誰もずっとは一緒にいられない
それでも時は深く暖かで
作物を実らせ
共に歩んだ者と芳醇を共有できる

日が傾く頃
鳥たちは一鳴きで羽ばたき
残された巣で夕日を待つのは二羽だろうか

誰もが赤く甘くあって欲しい
夕焼けなのだから




自由詩 収穫 Copyright 秋也 2016-12-10 14:22:05
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