たずねびと
葉月 祐





気配も無いままに
駆け抜けていく時

どれだけ走ろうとも
一生追い付けない空



   どこまで行くのでしょう

   誰の元へ向かうのですか

   わたしは何者でしょうか

   行き先も生き方も分かりません



朝 昼 夜
  休まず歩き 生きる

朝 昼 夜
  淀みなく流れていく



流される事のない
世界を照らす 光、
君のように生きてみたい

まだ間に合う
終着駅を持たない列車
そんな風に生きてみよう



過ぎていく今の上に立ち
空を見上げ 雲を見送る
頭上の未来は停滞する事を知らず
まだら模様を描き続けている



空から降る 行き先不明の切符の群れを

掴む事無く
今を追い 明日を探して わたしを知る








自由詩 たずねびと Copyright 葉月 祐 2016-12-04 22:27:02
notebook Home