真っ白なカーテン
水菜
半透明なゲル状の幽霊たちが、ティカップから生まれた時
私は、既に老婆でした。
ええ、このほとりに家を構えてもう早、1000年程経ちましたの。
老婆は、にこりと微笑みました。
あらあら大変ね。
老婆は、今まで感じたことのない負のイメージを煮込んだスープを眺めて言いました。
『こんにちは』
ちりんちりん
店の中に入ってきたのは、家ウサギでした。
カチカチ山の狸をやっつけた家ウサギです。
『あらあらあら』
老婆は、嬉しく微笑みながら、幽霊にアップルティを入れさせると言いました。
『林檎は、お嫌いだったかしら』
家ウサギは、悲しく首を振ると、泣きながら、アップルティを飲み干しました。
『また来ます』
家ウサギは、そう、ぺこりと挨拶をすると、店から出て行ったのでした。