白島真


夜 小鳥たちは哀しみの巣をつくる
発動機の音がちいさな心臓をふるわせ
人も鳥も水に逃げようとしている
死は同じひろがりで樹下闇を照らし
美しいものの名をわすれていく
冬 かじかんだ指先が
もえるオリオンを指ししめす
盲目の疵跡に
蠍座をしのばせて


自由詩Copyright 白島真 2016-12-04 10:39:15
notebook Home 戻る  過去 未来