一日だけの花
水菜

苦しさを真正面から呑み込む
それは、時に、恥ずかしくなることと、同義です
生は、時にみっともなくて、時にとても恥ずかしい
失敗だったり、伝えたい言葉を誤ったり
思わず目を背けたくなります

ねぇ、わらいましょうか

泣き笑いでも、そこに温かみが隠るなら、そこには、居心地良く、妖精が棲み着くから
私は、前を向けるかもしれない

ねぇ、

夜は終わって、また朝がきて
そうして、また夜が巡ってくるから

その度に繰り返し、朝になることを怖がったけれど

ねぇ、想像します
私がもし、一日しかもたない花だとしたら
私は、なにを思うだろうって

先ずは、あなたに、ありがとうと、さようならと、また会いたいね
を、一日に何度も伝えて

きっと、目まぐるしい一生分の感情を一日で体感するのだと

そんな想像です

私に残されている時間が、後、何億時間あるのかを、私は、知らないけれど

私は、ゆっくり、一生分のありがとうを、あなたに伝えられそうなくらい時間が残されているのなら、それだけで得した気分です

時間を掛けた分だけ、そのありがとうに、重みが加わりますように

ねぇ、そんな想像です

私は、

小さなことを大きな愛で出来るでしょうか?
過不足なく、柔らかに、優しい

そんな私に、私は、なりたいから

私に、沢山の後悔や、失敗や、悔しさや、悲しみや、苦しさを味わえる時間が残されていて、良かった

ねぇ、

私は、今、私の生を眺めて、先も眺めようとして

怖がっていない

苦しさを呑み込むことは

怖さを生んだりしないのだね






自由詩 一日だけの花 Copyright 水菜 2016-11-30 01:24:13
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