ヘヴィとメタル
カマキリ

いつからか分からないけど僕は白線の内側に立っていた
日中の残り香が頬をじわっと暖めていたけれど
僕を笑う人が多すぎてすぐに冷めてしまった
何かのパレードにように後には人々が続き
幸せになりたいと呪詛のように繰り返し呟いていた

おそらく肺の中に入り込んでしまったのだろう
しつこい煙が淡々と唇を抜けていった
一歩踏み出せばラクになるのは知ってるけど
たぶんみんな呪われているんだ
ひとつになろうよって

だからこの風邪薬が効いてくれるまでは
立ってなければならない
空の色はだんだんと紫を帯び始めて
夢の終わりみたいに細長くなっていく

次の電車は
ヘヴィとメタル
ありあまる憂鬱と
ヘヴィとメタル


自由詩 ヘヴィとメタル Copyright カマキリ 2016-11-28 21:22:29
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