恋に落ちる瞬間が
HAL
誰かが恋に落ちる瞬間を見るのが好きだ
それは場所も時間もまちまちだけど
ごく稀に眼の前で起きることがある
静かなティールームで
賑やかなファミレスで
時には通りで立ち止まって
かすかな声が緊張している
眼は伏し目がちでわずかに赤らむ頬
そっと目線が交錯し思いが相手に伝わり
それにそっとうなづくひとがいる
誰かが恋に落ちる瞬間を見るのが好きだ
初めての出逢いもあり
長い知り合いなのに初めてそのときめきに気づく
お互い心臓は速く打っているだろう
からだ全体にかすかな熱を感じているだろう
話は大抵弾まない
二人とも喋る言葉を捜している
けれど気まずくはない沈黙
いつでも初めての時間 いつでも初めての切なさ
その恋は些細なことで終わるかもしれないけれど
恋に落ちている間 どんなひとも幸せでいられる
相手にその気持ちを伝えられなくても
ぼくは誰かが恋に落ちる瞬間を見るのが好きだ
誰をも幸せにしてくれるささやかなオーラが好きだ
そしてぼくは誰かと恋に落ちる瞬間がとても好きだ
Thanks to Mr.Don Henley.