むかで
草野春心



  朝靄の しんとした公園で
  ゆりかごが一頻り揺さぶられ
  あかるい 幾つものさびしさが
  同じ数のむかでに変わるまでの間


  わたしたちは決して変わらないだろう
  乾いた 人間らしさのような傷みを
  つらぬいて吹いていく風が足下で
  目に見えぬ微かな影に寄り添う
  



自由詩 むかで Copyright 草野春心 2016-11-19 20:35:05
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