再パニックさん
竜門勇気

ゲロ吐いてるときは
ずっと
背中に火が着いてるんよなー

って訳わかんねえ

つかまり立ちなんて
すげー久しぶりよなー

って誰だてめー

指揮者が野良犬を乗りこなしてる
野性の無意味として
俺はそこに
あれこれと
みーだしちゃう
みーだしちゃう
しまいには取り乱しちまってや

なんだか
さみしい
へんな夜だよ

玄関にビビるんだ
真冬だってーのに
霙止まねーのに
汗がとまらない
億劫と義務の摩擦音
耳元でガリガリ

その場しのぎは
舐めると苦酸っぱいよなー

って訳わかんねえ

草ッ原の土の匂いは
心臓が大きくなるんよなー

ってなんじゃそりゃ

みーだしちゃう
つまんねー筈の
取るにたんない筈の
見過ごせる筈の
その中にあるストーリーを
想像したり
偽造してみたり

星の数ぶんの悪意に加え
今この回りにも
何とも言えないあれこれが溢れてる
目に見えるものなんて信じてたら
あんた ただの物質信者よ

拾っては違うと気付く
捨てては失ったと慌てる

とにかくパニックのまま
疲れきって玄関の外
言葉もない
目を閉じる気力もねーか
瞼の裏には君がいるってのに


自由詩 再パニックさん Copyright 竜門勇気 2016-11-13 18:50:53
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