再他人の話
竜門勇気

人の話を聞いている
することないから

人の話を聞いている
俺に話し掛けるから

こうこうこうで
どうなりましたと
交わしあう押し売り
疲れたし無理
言わずもがなもがもが
口ん中で噛む朝ぼらけ

うーん
君が切手を貼って
俺が剥がすから暗号文

うーん
俺と君以外には
誰にも伝わらない暗号文
仄めかして笑ってよ

煙る密室で
互い違いに起きてる
意図的な断絶
ふは 見渡して吐く息には
白けた煙と
嘘くせー嘆息がまじる
あちらこちらで
秘密めかした暗号文
猿にも解ける見せかけだ
だけの思いやりだ

うーん
苦しいふりして黙るから
見破ったまま笑ってよ

うーん
はしゃいだふりして泣いてるから
楽しそうに
匿ってくれ家に

君が君が
切手を貼って
俺が俺が
剥がすからって
ずっと待ってる

つーかあの、バレンタインてこ
とでわたしゃあんたにおねだり
したいものがあるんだけどって
そんな無理矢理じゃないけどや
照れ臭くていえんけどや

という暗号文
打つ前になにもかも用意されてる

後は待つばかり
いくらでも待つつもり
誰が始めたか知らないが
誰もこうなるなんて
思ってなかったかもしれない



自由詩 再他人の話 Copyright 竜門勇気 2016-11-13 18:48:24
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