マーブルは静かにとけていく
葉月 祐
境界線は今日も
曖昧さを保つようにして
空は青と白の始まりと終わりを
見失ったまま浮かんでいる
朝と昼を跨いだはずなのに
わたしはその境目を
やはり知らないまま
もうすぐ空は再び夜を纏う
からだも自然のように
どこかに曖昧な部分を残して
ヒトとヒトが混ざり合えたら
すぐにわかりあえるだろうか
それはまた違うか
乾燥し裂けてしまった唇に走る
真新しい傷を指でなぞりながら
そんな事をぼんやりと考えていると
缶コーヒーは冷たくなっており
再び見上げた空は 白一色に染まっていた