病室(レターパック)
由比良 倖

薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた

手放して、
空気の中へ、

あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一番遠い、星の光として
息をする、
泡の中で、
鍵盤が鳴りながら、
アドレナリンが
薄い薄い薄い薄い青で
注射される、確かに、
揺れない で、
揺れない、
で、
見上げ続けるとき、
花は何処で咲くのか、
体温を、手放さないで、
私は、あなたに向かってラブレターを書く、
きっと出さないと思うのです、
((ねえ、知っている?
((ギターは木組みの空洞で成っていて、
((その音の中には椅子がある、
((椅子があると言うことは隣り合える、
((隣り合えると言うことは離れることもまた、
((できるということ、私はさざ波、
((あなたは風、…『ならば僕たちに降る雨は、
          雪や野原や僕たちに降る
          光や伸びる影の色は・・(?』
((あなたは海、私は泡、泡の中に咲く海
((の花、花の体温ほどの呼吸
(((の音を手放さない、で
消えるときも、また、
意識が

歌を伝って下りてくる、銀色に
そこに微かな血の気が浸みて
私は(私の眠りの底をリタイアしていく
病みたいに臆えている、
笑いを浮かべる、目の前の、
誰か、に
微かに、


 っ

 、

(((あなたはまだ 這い 降りたまま、
((舞い降りて こ ない ままで、
(飛び
続ける  ?)
))
))


自由詩 病室(レターパック) Copyright 由比良 倖 2016-10-26 08:57:17
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