灯火
葉月 祐



失う事よりも

忘れられる事の方が

どれだけ辛いのかを

想像しきれないまま

大切なものばかり

増えて 増えて 増えて

灯火の様な感情ばかり

胸の奥に 生きている

失う事はそれ程怖くない

君宛ての言葉に重みが無くなる事を

何よりも恐れている

大切にしたいものは

何もかも硝子の様に脆い

今日も明日も 壊れない様にと

指先で真剣に積み上げていく



その灯火を消してしまわない様に

芯を見失わないでいられる様にと





自由詩 灯火 Copyright 葉月 祐 2016-10-19 23:29:22
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