肋骨の小人
5or6

深夜
耳たぶを踏まれ目を覚ますと
肋骨が無い事に気がついた
慌てて起き上がろうとしたが
胸がクラゲのように揺らめいて起き上がれない
しょうがないので首を曲げて目線を横にすると
小人達が腰に手をあてて何やら議論をしていた
私たちのトランクス一丁姿は様になっているとか
ハックルベリーは実はサウルだったとか
キニーネはリューマチに効くとか
あることないこと
次第に議論は僕の好きな子の話になり
それを聞いた僕の心臓は高鳴り
クラゲのような胸は荒波のようにベットで揺れ動いた
その揺れで小人達はポロポロとベットから落ち
サササと何処かに行ってしまった
僕の心臓が次第に収まると
一人二人と小人達は戻ってきて
僕の肋骨は元通りになった
それを見て僕は一息つき

また眠りについた


自由詩 肋骨の小人 Copyright 5or6 2016-10-19 21:10:09
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