舞子はロケット
まいこプラズマ

花火に
なりたかった

アタシは
果物が大好きで
ゆえにアタシは
果物で出来てると信じてたので

花火になって
夜空で開花すれば
イチゴや
サクランボや
リンゴや
マンゴーを
イッパイ降らせることが出来ると
信じてた
美しいアタシを
みんなに見て欲しかった

でも違うんだよね

一瞬
美しい閃光を放ったとしても
飛び散るのは

死体なんだ

ニンゲンに
わざわざ大きな花火をぶっつけて
大量の死体を飛び散らせて喜んでる
大人たちと
本質変わらないじゃん

悲しい

だからアタシは
長い長い
焔のしっぽを
ごうごう伸ばしながら
宇宙をあてなく旅する
ロケットになる

首が疲れるから
たぶん
誰もアタシを見送らない

いいんだ
それでも

そもそも
車輪が付いていないから
何処にも
着陸しない覚悟なんだからさ






自由詩 舞子はロケット Copyright まいこプラズマ 2016-09-23 21:05:09
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