黄唯色
もっぷ

花がよろこんでいる
その横で草もよろこんでいる
草の実は手を鳴らし思い出させている
草に、わが春のことを

だってきみの靴音
みんな忘れているよここが
雪国の花野だってことを
もう見得ているのかな

次の春のこと
その前にまずきみは雪を踏むだろうか
冷たいよ冷たいよと公園の樹が予言しても

わたしには視えている
きみの冬の靴紐の色
まだ未知の雪国の冬の靴のその紐の色



自由詩 黄唯色 Copyright もっぷ 2016-09-22 03:55:02
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