竹馬
春日線香

流れの早い箇所を竹馬で渡ろうとして
どうしても流されてしまいそうになったから
前に倒れざまにひょいと渡りきってしまった
と思いきや、渡ることばかりに気を取られて
竹馬が水に流されてしまった
最後にひひーんと鳴いたのが聞こえた
竹馬もやはり馬の一種ではあるのだ
雨上がりの夜空には瞬く星々
ゆらめく水草は女の髪のよう
竹馬は春まで川底で鳴いている


自由詩 竹馬 Copyright 春日線香 2016-09-18 03:27:13
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