かおるのおと (五首)
もっぷ

俯いて咲くシクラメンかなしみを呑み込んだまま花期いま終える


六歳の夢はシチューのにんじんがかなえてくれた 遠い夕焼け


待つひとのない家路には夕焼けは薄くつめたく〈明日〉を教えず


人の世の嘘も方便操れず「ほんとを全部は云わない」にする


突然の飛礫に遭ったあの日まだ十歳の〈ジャップ〉カリフォルニアで



短歌 かおるのおと (五首) Copyright もっぷ 2016-09-05 09:15:12
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