チューペットアイス(ぶどう味)
コトコレ

炎天下の
縁側で
はんおりの
チューペットアイス(ぶどう味)の
つめたあまさをくわえつつ

あ。蝉ジジジジッてって
落ちた。

ではなくて

つめたあまいのくわえつつ
ひんやりの
左手で
太陽みてるひまわりみたいに
笑いかけてくるいもーとに
わたす
チューペットアイス(ぶどう味)の
はんおりの

あなのとこからむきでてる
うすむらさきの汁たらす
でっぱり
わたしのあげた涼やかな欠落の
ちょびっとのぶん
せっぱんになりきれないそのへんが

(あーあ、
 はなみずでてるあとでおしえよ。

あなたのくちびるにふれるてまえらへんで
地球温暖化の
暑さのさなかの茫洋の目をそらしたさ

まぶしいんだ

蝉は死ぬのに、足掻いてて
わたしねーちゃん。八月。


自由詩 チューペットアイス(ぶどう味) Copyright コトコレ 2016-08-30 20:11:43
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