あいづち
るるりら



つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです 

うたたねの山々は
死のように 険しく
詩のような麓の町々もなく
ふしぎなことに
谷は 氷でもなく水でもない白い湖のようなものを
抱えていました

せきえい
かも
しれません

幼い頃
せきえい

知るまでは ダイヤだと思っていたものです

ダイヤモンドのようには
光を返さず
水のようには 揺らがず
せきえいの湖は 黙っておりました

そして わたしに うなづいてくれたのです
なにも ない ね おまえは混沌としていて しかも
なにも ない ね      。と



*
先日、誤字指摘をくださった方々へ
ありがとうございました。


自由詩 あいづち Copyright るるりら 2016-08-29 12:46:38縦
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