夢の始まり
葉月 祐


この手に
白い本を抱えて
まだ見ぬ夜明けを
待っている

今は さよなら
いつか必ず 君の事を
確かな形にして
受け止めるから

待っていて欲しい

あの夜から
随分と遠くまで来た
気付けば君の顔は
随分と幼く見える

僕のせいだね

それじゃあ またね
次に君に逢うのは
きっと
僕が違う夜明けを迎えた時だろう


真っさらなこの本に
一言だけ添えたい言葉がある
新しい朝を迎える前に
この言葉を君へ贈ろうと思う

『ありがとう』



過去の僕へ
未来の君より


どうか 待っていて欲しい




 



自由詩 夢の始まり Copyright 葉月 祐 2016-08-16 00:08:40
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