乾 加津也

壁を求めて、森は
燃える
壁のない森
なんて
美しい森
わたしの暴風を
かなしい
金槌の硬さに例えて
燃やす
焔が先端を追いやる
あ、らわれる平原
泣くほどの
水がめは
どこ

また、ふたたび
壁のない森
木々が茂り
叢ははびこり
いく筋の
細い
血脈らが寄り添い
いのちの種が
らしきものが
大海原に出帆する絵
あ〃
壁のない
自由な



自由詩Copyright 乾 加津也 2016-07-29 00:24:52
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