日本・世界のノーベル物理学賞受賞者と宇宙論
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これまで宇宙の始まりからインフレーション、ビッグバンと説明してきました
が、最近の日本の多くのノーベル物理学賞受賞者は、この宇宙論と非常に密接
に関係した理論などでの受賞となっています。また、外国の受賞者もこの分野
が多く、いかに進歩が激しいかを物語っています。

加速器や観測衛星などが進歩し、多くの事実が明らかにされ、もはやインフレ
ーションも射程にはいっており、"ただ飯理論"のグース博士や日本の佐藤勝彦博士
もノーベル物理学賞受賞が近いかもしれません。

それは2002年の小柴昌俊氏による『超新星爆発に伴うニュートリノの検出』
から始まりました。次に2008年の南部陽一郎氏、彼が最も重要な人物で、
預言者ともいわれ、2つの理論により日本どころか世界の宇宙論の親玉的存在
となっています。自身の受賞をはじめ、その理論により多くの関連した受賞
を含めると、もう2つくらいは受賞しても良いほどです。

それは真空の相転移(水から氷)をもたらす自発的対象性の破れと、ひも理論です。
前者の自発的対象性の破れは、多くの理論に影響を与え、ヒッグス場のヒッグス
(2013年)やワインバーグ=サラム理論のワインバーグとサラムの受賞(1979年)と
なります。

次に2015年の梶田隆章氏による、ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ
振動の発見です。

このように、ノーベル物理学賞の内容を知るは、これまでの私の宇宙に関する説明
が役に立ちます。

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ヒッグス場と質量

ヒッグス場は、「無の空間」に一様に広がっているとされます。空間を進む素粒子には、ヒッグス場がまとわりつくように作用すると考えます。たとえばプールの中を歩くと、水の抵抗によって動きにくくなりますが、このようにして本来は質量ゼロの素粒子が動きにくくなり、見かけ上、質量を得ているということになります。

宇宙誕生から1000億分の1秒ほど経過したとき、空間の状態が急激に変化する南部陽一郎氏の「真空の相転移(水が氷になるような)」がおき、それによってヒッグス場が素粒子と相互作用をおこすようになり、それが質量となるわけです。

ワインバーグ=サラム理論

この世界には「電磁気力」、「重力」、「強い力」、「弱い力」という4種類の基本的な力が存在しますが、この中の「電磁気力」と「弱い力」を統一する理論です。

この理論で重要な役割を果たすのが、南部陽一郎氏の真空のエネルギーでした。そこにエネルギーがあるからこそ、真空は(水が氷になるような)相転移を起こします。ワインバーグとサラムは、その真空の相転移によって、もともと同じ力だったものが電磁気力と弱い力に分かれたと考えました。宇宙の始まりのような真空が高いエネルギー状態にあるときは一致する力が、相転移によって低いエネルギー状態になると別々の働き方をするのです。

インフレーション理論

"ただ飯理論"のグース博士とともに、日本の佐藤勝彦博士もその創案者で、彼は
南部陽一郎氏の「真空の相転移」というアイデアを宇宙論に活かそうとしました。


散文(批評随筆小説等) 日本・世界のノーベル物理学賞受賞者と宇宙論 Copyright st 2016-07-22 13:48:32
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