はるな


たわんだ膚のなかで わたしは
蟹の夢をみている
甲羅を脱ぐ蟹が いま来た波に溺れかけて
まだ柔らかい腕がふるえるように動いている
水ぶくれみたいに 頼りない体

日焼けの背中に水ぶくれをつくったこともあった
あれがいまは蟹になって
とおい波際で戦っているとしたら
あなたも あの海べにいる



自由詩Copyright はるな 2016-07-14 23:02:43
notebook Home 戻る  過去 未来