たわんだ膚のなかで わたしは
蟹の夢をみている
甲羅を脱ぐ蟹が いま来た波に溺れかけて
ま ....
真実を語ることの残酷さを
知っていながら繰り返す
誰のことも貶める気などないが
事実を曲げ ....
伸びやかな糸の向こう側に掛かる虹を
黙って見ていた
辛いのは嫌いだって言ったのに
辛子 ....
{引用=カラカラと糸車を誰かがまわしている
その糸車の糸に多くの人の指が絡みつき
血塗られた ....
白いシャツを着せられていた
脱ぐことも赦されなかった、そのシャツを
声を発するごとに
....
大海原に浮かぶ月
足元の砂に
ちりちり打ち寄せる
光の欠片
溶液になった
クラ ....
雨粒が
僕を打つ
愛の鞭か
裁きの鞭か
雨粒が
僕を打つ
痛くて ....
朽ちてゆく 土の器なのに・・・・もう秋風が吹き始めているのに
汗が流れ落ちてきて 止まることを知ら ....
耳の後ろを
滲み出る汗
うなじにかけて
じんわり
ゆっくり
滴る雫
遠くで響く
蝉 ....
夜が終わりかける頃に
突然迷子になったきがして
膝を抱えた幼子が
母の帰りを待つ ....
星がきえた 永遠に
夜は 月だけが光る
星はどこへいった あの ....
眼鏡の向こう側に広がる世界は
本当はどんな色をしているのだろう
このレンズを通して見るのとは ....
夏の夜の旅先にて
ふらり、身を入れた店で
フォアローゼスの水割りを傾けながら
もの想う
....
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