チェ
DFW



わたしのアイドルだったよチェ



だからいまもわたしのアイドルだよチェ
熱帯の原点と暗点とが存在してる接点に
稲妻に愛されたあなたは
夕立のなかを
真昼に輝るメッキみたいに
立ってた


(遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた))


しびれるよチェ
草原の星空に描いた
若き日のダイアリーズを
あなたは胸裏に仕舞い
背中で銃を抱いて
希望を恐怖の最先端で震わせて

7月の
強烈な光に照らされた
曲がり角を
何度も降りていこうとする


(革命とは何だ? 傷のあるとびっきりの黄昏さ))


ゲリラ地帯の
小鳥の巣から 密かな
さえずりは
響くね

わたしの財産は3ペソ
2つ 3つとベトナムになってくかな
世界は雨に濡れながら


反乱の季節は
花、星、天国 それとも公園の砂場
ねぇチェ

あの正義は差別をうつしだす逆光のミラーに過ぎなかったのかしら
わたしはベトコンラーメンをすすりながら
雨をみてる


黒髪に包まれた抵抗の脳髄のなかにひらかれた土地はいまも美しいね
それが失敗することを知っていても


すべての解放を祈り
真っ赤な星形の弾痕を眉間に埋めたあなたは
眠りにおちながら
南米大陸を砂煙をあげて駆け抜けた
うら若き旅人たちを追い抜いて
わたしが着てるTシャツになったりしてるよ
たまにピョン吉みたいに
わたしの胸を揺らしてさ




自由詩 チェ Copyright DFW  2016-07-07 01:07:47
notebook Home 戻る  過去 未来