二季応禍
木立 悟








断頭台ギロチンに葛ちらせて骸酒むくろざけ



片目あけ光の血まみれ五月雨夜



岸に降るけだものひとり振り返る



撃てという声する方に夏ひとつ



菓子の出る蛇口ひねれば水無月粉



均一に澱んだ午後で切る眼かな



音の無い音の径端ゆらす月



騒がしく虚空を運ぶ枯れ穂かな



夏の芽に触れる者から冬になる

















俳句 二季応禍 Copyright 木立 悟 2016-06-29 23:53:26
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