ゆるい曲がり角
藤原絵理子


ぼくたちは どこで分かれ道に…
雑踏の人波をかき分けて 前へ
日常に埋もれて あがいていた間に
湾曲した道を曲がるときの
あの ときめきも忘れて


手をつないで 昔見た風景を
気がつくと ぼくたちは
同じものを見ているのに
違う風景の中にいたんだ
それなのに 手だけはつないだまま


ぼくが守ろうとしていたものは
変容する もういちど
今度は ゆるやかな坂道を
カフェのテーブルを挟んで 微笑んで


自由詩 ゆるい曲がり角 Copyright 藤原絵理子 2016-06-28 21:51:35
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