不眠
星丘涙

身体も心もふやけている
刺激のない生活に倦怠感を覚え
今日も途方に暮れては
細い女性的な指を絡ませて 
じっと見つめる 

「惨めだ」

欲望が誤算を生み
連日の睡眠不足で家を出る

 

烏が撃ち落されたメインストリートで
掃除夫が死骸の後始末していた
不吉な空模様の下 生暖かい風が通り過ぎて行く
とうに夏への憧れは無くしてしまった
脂汗で湿るダークハート

 

鈍く濁った意識の中 この世と融和して行く
アップビートにトリップして
感覚を意図的にクリアにすれば
飽和し始めた脳細胞が気分をハイにする
今夜も眠れそうにない


 



自由詩 不眠 Copyright 星丘涙 2016-06-28 11:11:56
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