ドレッシング
梅昆布茶
僕の部屋は詩と光で満たされ
君という音楽が遠くから流れてくる
部屋干しのジーンズがぶら下がり
台所には洗い物が山積みなんだ
愛用のマックもコーヒーやスナック菓子の砕片で
薄汚れてはいるがときどき良い詩をたたいてくれる相棒
僕はいつも君との距離や世界との乖離を歌にする
音楽屋はたいがいが詩人だ
言葉に詰まると楽器を手にするそして
なにかを埋める為の歌を歌う訳さ
人生にドレッシングは必要だが
本来の素材の味わいを知らなければならない
孤独が宝石だということを世間は秘密にしている
過去の賢人だけが教えてくれる真実だ
洗濯物みたいに乾いてひからびてゆく愛なんてもう必要ないこと
いつも自分をジェネレーターみたいに廻したいものだ
でも真理につき合うのもちょっと疲れるわけだが
それでも君のポケットの片隅に僕の夢の欠片が忍び込んでいて
それが歌い始めることを
期待している訳なのだが
自由詩
ドレッシング
Copyright
梅昆布茶
2016-06-18 12:00:22