レタス

彼は何処から来て
何処へと往くあてもなく
歩き続けていた

飢えた者にも
病に臥せる者にも
与えられるものは
涼しい視線だけだった

生老病死は誰にも訪れる
彼は救うという観念を捨て

涼やかな視線をすべてに送った

旅を続け森羅万象を眺め
朝に
夕べに
祈りを捧げ

明日を歩き続ける


自由詩Copyright レタス 2016-06-17 19:42:05
notebook Home 戻る