鰐
草野春心
なにかに似たなにかが
わたしの緑色を這って
滑
(
ぬめ
)
る
朝陽も入り込めない太い闇を
しずくのような眠りが円く湿らす
葡萄味で棒状の鬱
なにかに似たなにか
岩に塗られた
溝
(
どぶ
)
色の鰐たち
進むことをやめた美しい時間
わたしに似たほんとうのわたし
自由詩
鰐
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草野春心
2016-06-09 21:28:45
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短詩集