海を見ていた
ミナト 螢

僕の心と月光の温度が
凍て付くような冬の海岸で

あの場所へ連れて行って下さいと
シリウスを指差す誰かの声が
真っ直ぐに空へ伸びて響いた

内に秘めた強さはきっと何か
目指すモノがあるからだろう

海面に映る月と星を見て
この場所でシリウスを拾うんだ

僕の声に耳を傾けると
春まで待つわと君は瞳を伏せた

僕の心と太陽の温度が
混ざり合うような春の海岸で

もう一度だけあの瞳を見てみたい
眩しく輝く君のその瞳こそ
僕はシリウスと呼んでゆくだろう


自由詩 海を見ていた Copyright ミナト 螢 2016-06-01 20:10:52
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