美~窓辺にて
ヒヤシンス


 ロベリアの水色が私の窓辺で咲いている。
 脇役に徹しているカスミソウの白い花は妻の好みだ。
 陳腐な言葉など必要ない。
 そこには小さな美が溢れている。

 どんなに小さな表現でさえも美は含まれている。
 心に張り巡らされた感覚こそは宝だと思える時、
 人はすでに一歩前進しているのだ。
 前進の中に包括されている美を私は信じる。

 美はあらゆる所に存在する。
 焦る必要も悩む必要もない。
 人それぞれの心の中にそれはいる。

 私は妻と窓辺に座り、小さな美を見ている。
 お互いの心に宿る美を感じながら。
 空の彼方に夏が顔を覗かせている。


自由詩 美~窓辺にて Copyright ヒヤシンス 2016-05-28 03:37:09
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