まだ明るい、夕暮れに間に合えば
阿ト理恵



あの草原へ、手と手がはじめてふれた場所へ、走ってる、仰向けになって雲に名前をつけあった、あれはジャムパン、メロンパン、やきそばパン、クリームパン、あんぱん、あげパン、パンばっかじゃん(笑)、フレンチクルーラー、チョココロネ、ソフトクリーム、ちくわ、こんにゃく、はんぺん、ぎょうざ、さては腹ぺこりんだな、あっ、トムとジェリーのチーズ!って、声が重ねる、なんなんだよ、ったく、あの頃へ、陽のおしゃべり、陽だまらないのに陽だまりでの、ぼくたちの細く流れるような声がみえるうちに走ってる、ニワゼキショウがゆれる、走ってる、風より速く走って、走ってる

しってる?
草色の切符の有効期限は夕暮れなんだってさ


しれ
たぶんまにあう




自由詩 まだ明るい、夕暮れに間に合えば Copyright 阿ト理恵 2016-05-17 18:01:32
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