橘月
信天翁

     穏やかな風と光が
    丘のひだにあふれて
 卒寿の猫背を包みこむとき

おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる

    はるかに過ぎ去った
白い季節のひなたとひかげに
  自戒と望郷が交錯されて

そして和やかに聞こえてくる

    小公園のベンチから
    二人の主婦の話声が
       桃色となって
   

      
   


自由詩 橘月 Copyright 信天翁 2016-05-14 14:27:25
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