眠った炎
葉leaf



炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合した
光を清算する夢を見ている
燃料など必要なかった
ましてや消すための水も要らない
この自立した眠りにより
炎は自らを蓄え続ける
火の粉が一定の海域を超えると
それは不可解な声となり
かつて人はそれを詩と呼んだものだった


自由詩 眠った炎 Copyright 葉leaf 2016-05-14 04:57:54
notebook Home 戻る