アゲハ蝶
星丘涙

アゲハ蝶が嵐の島で名も知らぬエキゾチックな花弁の陰で眠っていた

ざぶりん ぴたぴた ざぶりん どっしゃり ひたひた しとしとり

折れた羽伸ばし 舞い飛び落ちた 密林のただ中 

天敵の鳥の眼光 ギランギラララ

怯えて震える女々しき蝶々 ぶるぶるぶるるん

狂気の世界に意識の緩和を求め 真っ赤なマグマと入り乱れ

よろろん よろよろ ぼろぼろに

火の粉の中で 悦に入る 燃える 萌えろよ 蕩けるよ

地獄の炎に焼かれるよ

悩みぬき悟りを得ずに滅びゆく 虚しかりし美しいアゲハ蝶


自由詩 アゲハ蝶 Copyright 星丘涙 2016-05-10 16:01:14
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