花埋み
レタス

人は
ひとひらの
花のように舞い
着地するまでの
風を感じ
陽の光を浴びて

寂滅の歓びの中に埋もれてゆく

歓びも悲しみも
大したことではなく

ひとつひとつの現象がただ通り過ぎ
五月の風の柔らかさに
その身をゆだねる

生きる意味も
死ぬ意味も
何もない

ひとしづくの願いは

花のもとに
埋もれて
月の灯りに照らされたい


自由詩 花埋み Copyright レタス 2016-05-07 15:52:15
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