団地
ガト

生まれた町が
少しずつ変わってゆく

取り壊される古い団地

あの棟には昔
友達が住んでた

ガチャで出したおもちゃの指輪を
いつか私にくれたね

名前も思い出せない

忍者ごっこした塀とか
どんぐりを集めた山とか
今もあるんだろうか

みんなみんな
どこへ行ったのだろう

忘れてたことを
脈絡無く次々と思い出し

しばし時を超えた

変わり行くもの
失い行くもの

ぞっとするほど果てない時の流れ

止める術など誰にもない


いい町だった
ここは          


自由詩 団地 Copyright ガト 2016-05-04 01:06:21
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