乾燥地帯
Lucy

砂のような
罵詈雑言を
浴びせられても
べつに痛くもかゆくもない
友達だったこともないヤツから

雨の日に浮かれ
這い出てきたのだろう か細い
蚯蚓が

ぺかぺかに光って
張り付いて
いずれ粉々に砕けて消える
そんな
渇いた路面を歩く
こみ上げてくる嗤いを
くすくす
零しながら

傘なんか
どうして持ってきたのだろう

日ざしのように降り注ぐ
身に覚えのない
断罪
まわりの
人たちが静かに一歩下がる 
目をそむけ
くすりと嗤う
のがわかる



自由詩 乾燥地帯 Copyright Lucy 2016-05-02 19:51:58
notebook Home 戻る