二十歳のころ
たもつ



二十歳になっても何も変らない
ただ何かを変えたくなった

今の自分を不幸だとは思わない
でも決して幸せとはいえない

キャンパスを飛び交う拡声器の声
その熱さの中で
彼らは自分を確かめている

雨上がりのスクランブル
背を丸めてわたる者たち
いつの日か頭の上に太陽が輝いていることも
忘れてしまった

やりたいようにやった奴の勝ちだ
そう思ったのは二十歳だった

このまま生きたくない
このまま死にたくない




自由詩 二十歳のころ Copyright たもつ 2005-02-24 08:32:20
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