旅〇人
たけし

丈の長い草密生する
4月の草原を吹き抜ける風は、
艶やかに波打ち移動する緑の透明。

このひたひたと押し寄せる冷気に、
覚醒していく意識の輪郭くっきりと
風の息の律動と 私の命の鼓動が
重なり合い同期する。

一度ならず放擲された渦巻く宇宙の片腕に、
収めていく差し入れていく
唯一独りの私という魂を。

さあさ再び何度でも、
新たな時の始まりだ!


自由詩 旅〇人 Copyright たけし 2016-04-05 16:20:19
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