ある日の散歩道
番田 


誰ともすれ違うことのない
道を歩いていく 私は私を探す 一体の体として
しかし他の誰でもない自分とすれ違うことはなかった
だけど 確かに道を 私は歩いていたのだが


桜はどこにあるのだろう
今日も桜は枝のままであるはずがないと願い
しかし 空を彩ることはできなかった 私は花の蕾を仰いだ
私は花を見ることができなかった


遠い国で行われた幾つものテロ
それについて思うことは 私にも 幾つかある
私は死ぬ時に日本の片隅から 世界全体のどこに消えていくのだろう
どこかであること自体 私にはないのかもしれないが


人に 花は 春に咲くことを通して
自らの目的を忘れて生きることを教えてくれる しかし
自らの目的を叶えることで いつの時代でも人は花を咲かせようとする
いつの時代でも 人の花はそこに咲くこと無く 流れていこうとするのだが



自由詩 ある日の散歩道 Copyright 番田  2016-03-27 22:33:13
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