midori
草野春心



  銀鮭の
  苔かおる底を、
  小河らの肌がすべる 春という時に
  生きることができてよかった

 
  灰色の水に 憶えている
  歌の果てに燻る 哀しみの螢火
  耀きの緑と さざめきのなかで別れた
  あなたというひとを、春という時に
  抱きしめることができてよかった
  



自由詩 midori Copyright 草野春心 2016-03-12 16:09:58
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春心恋歌