水島号
あおば




短歌はとにかく
詩というものは、
俗っぽくてはいけません。

繊細で青味がかかった伝統の自然色の赤
明るい日光を浴びた色は全て

と表現された

白と赤
青は後ろに隠れて表に出ない
だから、
三輪車は詩を形に具現化したものだと思いませんか
オート三輪車の助手席に乗ったときの
足の下には何も無い不思議な浮遊感を思い出す。

三輪車を運転する幼児の顔は
日に焼けて赤く
見るものは
色白の手足に
気づかない

ハンドル握って
ペダルを漕いで
駆動輪を地に押さえ
ひたむきな眼で
一直線になるのです

動力の勢いで
夕映えの
坂道を一気に登る
みずしま号三輪車
薄っぺらな
ディスクホイールが
くるくる回り
回転の
目印になるように
タイヤバルブの丸い穴
一回転ごとに
上下して
目が追いつかない

くるくる回る忙しさ

暮れゆく空に反射する
バタバタ排気音
おんぼろエンジン
みずしま号再生車
前照灯が暗いので
暮れないうちにと
草も生えない砂利道を
がたがた言わせて
帰ります

水爆反対
ミズスマシ




自由詩 水島号 Copyright あおば 2005-02-22 03:19:51
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オート三輪