光と影
颯太@

朝焼け染まる町並みを巡り
静寂すぎる国道を見つけ
無邪気な笑顔で中央に立ち
独り占めした気分と出会う

幼い両眼が捉えたのは
止まった景色と澄んだ空気
人も車も泣き声もない
優しい色が見つめ返した

一人を選んだ訳ではないが
今夜も知れずに淋しさ覚え
窓から零れる月影に
心照らされ、足跡辿る

温もりを残してあなたは
僕の前からそっと消えた
車椅子、押して歩いた
桜並木は昨日散ったらしい

生きとし生けるものよ
最後の風に乗り何処へ還ってゆく
暗闇でないと信じている
光に押され産声となれ

光と影を今日も巡る
幼き日々と同じ瞳
けれど中身は変わったよ
境界線、今頃
鮮明に見える

詰まらない話をしてごめん
こんな話は嫌いだよね
実は僕も好きではないが
なぜか君には
話したくなりました

安らぐ温度を今日も探してる
穏やかな場所を今夜も探してる
願いと祈りを胸に隠し
太陽と月を浴びながら

本当のゴールは何処にある
この世の何処で心から笑い合える
今日も旅路は続いてゆく
光と影を探りながら


自由詩 光と影 Copyright 颯太@ 2016-01-26 00:09:17
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