tsurara
草野春心



  しろいつららが
  落ちてきそうで 落ちてこない午後


  まぬけな顔で 口をあけて
  なんの涙か 涙さえうかべて
  あなたがその 錆びた屋根をみている


  ぼろ切れのようにいじらしく
  石ころのように馬鹿なあなたに
  与えられるものがこの世にあるのか
  捧げられるものがこのぼくにあるのか
  つららは ただ 寒い陽に透けてる
  長ぐつのなか 靴下がじっと汗ばむ
  せめてぼくの人生よ
  ぼくへ落ちてこい




自由詩 tsurara Copyright 草野春心 2016-01-23 17:25:53
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