をかめ
春日線香

をかめとは彼女である
嫌われ者の彼女である
しだの葉陰から覗く
首の長い女である
わかめではない
をかめである

をかめは畑を荒らす
今日もあちこち荒らす
ばきばきと全身の骨を鳴らして
腕に関節が十個もある
わかめではない
をかめである

をかめはぶすである
ものすごいぶさいくである
年中くそまみれのけつで
くさいくさい屁をこく
わかめではない
をかめである

をかめ
をかめ
子供を追い回す
石ころのほうがまだ役に立つ
わかめではない
にんじんの一種である


自由詩 をかめ Copyright 春日線香 2016-01-09 06:54:05
notebook Home 戻る  過去 未来