退行
たけし

重なる重ねる音響の連鎖に
造形されては崩れ落ちる旋律
そのたび脳髄は揉みほぐされブルブル揺れ
冬の天空で少しずつ凍結していくオーロラの踊り
樹木の枝に縮れ色褪せへばり付く枯れ葉が
所在なげに揺れて揺れて
最初から帰属すべき場所など無く
音響の最中を問われ問われ漂うわたしは
愛娘の悲鳴に一瞬目覚め
もう負うべき責任もなかったなと
思い出しては独り笑い
夜間つかの間の深い眠り
底で覚醒 神々の住み処
音響世界に戻っていく


自由詩 退行 Copyright たけし 2015-12-20 15:14:45
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